厚生年金の保険料はいつ発生するの?保険料の支払い納期や免除となるタイミング
今回は、厚生年金の保険料についてまとめていきます。
厚生年金の保険料は、健康保険の保険料と一緒に徴収されるルールになっています。
毎月集められた保険料は、将来の年金支払いだけでなく、厚生年金保険事業に要する費用に充てられます。ここでの厚生年金保険事業には基礎年金拠出金が含まれている=厚生年金の保険料には基礎年金の給付分が含まれているということです。
厚生年金の徴収期間と保険料率
厚生年金の被保険者となった月の当月から、被保険者の資格を喪失した月の前月までの期間で、保険料が徴収されます。
つまり、月末退職の場合は月末最終日が被保険者としての最後の日となり、翌月月初が被保険者の資格喪失日という意味です。
例)
1月31日の月末に退職した場合
2月1日…被保険者の資格を喪失した月
1月…被保険者の資格を喪失した月の前月=最後の保険料徴収月!
また、同じ月の中で、厚生年金の被保険者資格を取得および喪失した場合、喪失月であっても保険料が徴収されるので注意しましょう。(健康保険とルールが一緒です)
厚生年金の保険料率は、18.3%です。
しかし、第4号厚生年金被保険者は財政に少し余裕があるので、16.124%から引き上げている途中です。
厚生年金の保険料の負担のしかた
厚生年金の保険料は、毎月の保険料を翌月末日までに納付をします。
厚生年金の保険料の免除について
厚生年金の被保険者が、産前産後休業を取得している時期は、事業主が実施機関に申し出すれば、保険料の納付を免除することができます。
※育休中の免除については介護育児休業法に規定があるので、今回は説明をはぶきます。
被保険者である従業員が、産前産後休業を開始した日の含まれる月(当月)から、産前産後休業の終了日の翌日が含まれる月の前月までのあいだ、厚生年金の保険料が免除になります。
つまり、職場に復職した月から、厚生年金保険料が徴収されるということです。
☆免除のイメージ①
→月初1日に職場復帰したら、前月最終日が産前産後休業の終了日となる
→産前産後休業の終了日の翌日=月初
→月初から保険料が徴収される
☆免除のイメージ②
→月半ば15日から職場復帰
→前日の14日が産前産後休業の最終日→産前産後休業の最終日の翌日、15日が含まれる月から保険料が徴収される。つまり前月が免除最終月
ここでのポイントは、代表取締役には産前産後休業の保険料免除はありますが、育児休業期間中の保険料免除はないという点です。
育児休業は、働く従業員向けの法律なので代表取締役には適用されないのです。
中小企業向けの採用サポートや人事労務専門のライターをしています
現在、社労士受験生をしながら、本業では中小企業の採用サポートや人事労務ライターをしています。
実績はこちらにまとめているので、お気軽にご相談ください!
厚生年金保険の標準報酬月額とは?

今回は、会社員としてお勤めの方の、将来の年金額を決める際に出てくる【標準報酬月額】の仕組みを解説していきます。
前の記事で紹介しましたが、厚生年金の加入条件を満たした事業所で働いている会社員は、基本的には厚生年金の被保険者となります。
老後の年金は、国民年金の給付部分と(上限は決まっていて年額マックスで約80万円弱)働いた給与に比例して上乗せになっていく厚生年金の給付部分に分かれています。
この、報酬比例部分の給付額を計算するときに使うのが、標準報酬月額というものです。
☆報酬月額とは…
会社に勤める人が会社から支給される基本給のほか、役付手当、通勤手当、残業手当などの各種手当を加えた1ケ月の総支給額(臨時に支払われるものや3カ月を超える期間ごとに受ける賞与等を除いたもの)
(引用:日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/faq/nteikibin/teikibinkisainaiyo/nofujokyo/20140602-02.html
この報酬月額は、現在8万8千円~65万円までの32等級に分けられています。
この32等級に該当する金額を、標準報酬月額と呼ぶのです。
※最高等級の標準報酬月額は、平均額の2倍になるように調整がされています。
厚生年金保険の適用事業所と被保険者、被保険者期間について

今回は厚生年金保険の強制加入、任意加入とは何か、被保険者期間について簡単にまとめていきます。
厚生年金保険の強制適用となる事業所
厚生年金保険と健康保険の強制適用となる事業所は、ほぼ同じです。
・国、地方公共団体、法人事業所で、常時従業員を使用しているもの
・個人経営で、常時5人以上の従業員を使用している、かつ法定業種に該当するもの
・船員法に規定される船員を使用している船舶
被保険者の種類
厚生年金保険の強制適用となっている事業所で働いている人は、厚生年金保険の被保険者となります。この被保険者は、働く先が適用事業所かそうでないか、年齢は70歳を超えているかどうかで4つに分類されています。
①当然被保険者…適用事業所に使用される70歳未満
②任意単独被保険者…適用事業所でないところで使用される70歳未満(事業主の同意・厚労大臣の認可をもって取得して、喪失には厚労大臣の認可が必要)
③高齢任意加入被保険者…適用事業所に使用される70歳以上で老齢基礎年金はもらっていない(取得喪失は実施期間に申出でOK)
④高齢任意加入被保険者その2…適用事業所以外に使用される70歳以上で老齢基礎年金はもらっていない(事業主の同意・厚労大臣の認可をもって取得して、喪失には厚労大臣の認可が必要)
厚生年金保険の被保険者期間について
国民年金と同じように、月単位で被保険者期間を見ていきます。
被保険者期間は、被保険者の資格を取得した当月から、喪失した月の前月までとなります。
ただし、同じ月の中で国民年金の被保険者の資格を取得した場合はこの限りではありません。「この限りではない」というのは、次のようなケースが考えられます。
例)
4月の前半で厚生年金の被保険者資格を取得したが、月の途中で資格を喪失してしまった。その後、4月中に国民年金の被保険者の資格を取得した。
→このとき厚生年金の被保険者であった期間はカウントされず、月の後半に取得した国民年金の保険料を支払うこととなります。
労働力調査や就業構造基本調査・新卒の就職内定状況などの最新データまとめ
こんにちは。採用・キャリアのかかりつけ医HRドクターという事業名で、中小企業の採用支援や人事労務専門ライターをしているさつきです。
仕事柄、しょっちゅう労働力調査などの厚生労働省の統計データを閲覧しているのですが、社労士試験の「労働の一般常識」の科目でも統計データが一部出題されるそうです。
統計データはかなり分厚い&種類が多いので、一度に見切れないため、本記事に大事なデータをとりあえずまとめておきます。(備忘録として…)
(1)労働力調査~総務省・毎月発表あり~
2020年度の年間数値がまだ発表されていなかったので、とりいそぎ2020年11月分のデータを貼っておきます。
労働力調査 (基本集計) 2020年(令和2年)11月分
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf
(2)就業構造基本調査~総務省・5年に1回実施~
就業構造基本調査は、あまり知らなかったのですが以下のような調査だそうです。
就業構造基本調査は、統計法に基づく基幹統計『就業構造基本統計』を作成するための統計調査であり、国民の就業及び不就業の状態を調査し、全国及び地域別の就業構造に関する基礎資料を得ることを目的としています。
平成 29 年就業構造基本調査結果要約(平成 30 年7月 13 日発表)
https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/pdf/kyouyaku.pdf
(3)職業安定業務統計
ハローワークの求人状況などを毎月、厚労省がまとめてくれているものです。
一般職業紹介状況(令和2年11月分)
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000707909.pdf
(4)雇用動向調査
こちらも厚労省が行う調査です。
(5)大学等卒業予定者の就職内定状況調査(大学・短期大学・高等専門学校及び専修学校卒業予定者の就職内定状況等調査)
新卒採用に関わる調査結果です。各大学に調査したものなので、企業の採用担当者もチェックしておきたいものですね。
こちらが最新の就職状況
(6)賃金構造基本統計調査
令和2年度から調査方法が変わるそうです。まだゆっくり見てませんがリンクだけ先に貼っておきます。(備忘録)
結果は毎年発表されています。こちらが結果一覧です。
(7)毎月勤労統計
こちらも厚生労働省が発表しているお馴染みの調査です。
毎月、各業種の労働時間・時間外労働時間やお給料などが全部確認できます。
採用した人数、離職した人数も見れるので、特に人材業界で働く方は参考になるデータです。
2020年度の最新が出てないので、令和元年度の年間データを貼っておきます。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r01/01cr/dl/pdf01cr.pdf
各月・過去の勤労統計はこちら
毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査) 結果の概要|厚生労働省
(8)高齢者・障害者・派遣・外国人・若年者・家内労働者などの雇用実態
私は外国人雇用支援の人材会社で働いていたことがあるので、外国人雇用状況は毎日見ていました。
気付けば外国人労働者は160万人を超えていたんですね。
「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】令和元年10月
https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/000590310.pdf
令和元年「高年齢者の雇用状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000182200_00003.html
障害者雇用状況
派遣2種類
家内労働者
若年者雇用実態(5年に1度)
まとめ
他にも統計調査はたくさんありますが、まずはここまでの最新結果を確認していこうと思います。
厚生年金の保険給付~特別支給の老齢厚生年金について~

こんにちは。採用・キャリア・複業のかかりつけ医、HRドクターです。
今回は会社員として働く人が毎月支払っている厚生年金の、保険給付のひとつ「特別支給の老齢厚生年金」について解説していきます。
厚生年金の保険給付種類
厚生年金の保険給付は、老齢・障害・死亡の3つの事由に分類されます。
- 老齢…特別支給の老齢厚生年金と65歳からの老齢厚生年金
- 障害…障害厚生年金と障害手当金
- 死亡…遺族厚生年金
3分類、5種類の給付があると押さえておきましょう。
まずは、老齢に対して行われる給付の中の、特別支給の老齢厚生年金についてです。
特別支給の老齢厚生年金・昭和60年の見直し背景
昭和60年の改正前は、60歳から定額部分の老齢年金と、報酬比例部分の老齢年金の2段重ねの給付がありました。この頃は年金の財政が豊かな時期でした。
しかし、少子高齢化で支給開始年齢を60歳から65歳に後ろ倒しすることが決定されます。
具体的には、支給開始年齢を5歳後ろ倒しするのに加えて、支給する給付金を「老齢基礎年金」という1階部分と「老齢厚生年金」という2階部分に分けて運用することにしました。
この変更を加えてしまうと、今まで60歳から支給されていた「定額部分」と「報酬比例部分」がいきなりゼロ円になると、国民から批判が出てしまいます。そのため、60歳~65歳の間は「特別支給の老齢厚生年金」を代わりに支給することにしたのです。
この特別支給の老齢厚生年金は、年齢要件と共に段階的に減らされていく仕組みになっています。
特別支給の老齢厚生年金の段階的な廃止
60歳から65歳までの間、定額部分と報酬比例部分に匹敵する特別支給の老齢厚生年金を給付していくと、けっきょく日本の財政は苦しいままです。
そこで、特別支給の老齢厚生年金は平成6年と平成12年、2回の改定を経て徐々に廃止の方向へと向かっていきます。
平成6年改正では、特別支給の老齢厚生年金の1階部分である定額部分を段階的に廃止していくことを決め、平成12年改正では2階部分の報酬比例部分を年齢ごとにカットしていくことになりました。
こうすることで、最終的には60歳~65歳の特別支給の老齢厚生年金は完全に廃止となります。
特別支給の老齢厚生年金の支給要件
生年月日が昔であるほど、多くの特別支給の老齢厚生年金がもらえる仕組みになっています。
特別支給の老齢厚生年金の受給資格期間は、以下の通りです。
保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間=10年以上であること
1年以上の被保険者期間のある65歳未満で、受給資格期間(保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間が10年以上)を満たしている人が、60歳に達したときから特別支給の老齢厚生年金がもらえるということです。
さらに、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は、受給資格者の生年月日や被保険者期間の種別ごとに変わります。
支給開始年齢その①
昭和16年4月1日以前生まれ(昭和36年に20歳)の人は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分をフルで受け取ることができます。
昭和16年4月1日以前…定額支給開始年齢60歳(5年分マックス受給)
昭和16年4月2日~昭和18年4月1日…定額支給開始年齢61歳(4年分受給)
昭和18年4月2日~昭和20年4月1日…定額支給開始年齢62歳(3年分受給)
昭和20年4月2日~昭和22年4月1日…定額支給開始年齢63歳(2年分受給)
昭和22年4月2日~昭和24年4月1日…定額支給開始年齢64歳(1年分受給)
そして、この後5年間かけて2階建て部分である、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分も段階的に削られていきます。
昭和24年4月2日~昭和28年4月1日…報酬比例部分の支給60歳から(満額)
昭和28年4月2日~昭和30年4月1日…報酬比例部分は61歳から
昭和30年4月2日~昭和32年4月1日…報酬比例部分は62歳から
昭和32年4月2日~昭和34年4月1日…報酬比例部分は63歳から
昭和34年4月2日~昭和36年4月1日 …報酬比例部分は64歳から
昭和36年4月2日~☆特別支給の老齢厚生年金は何も支給されません☆
このように、昭和16年から昭和36年の20年かけて、段階的に減っていくのです。
特別支給の老齢厚生年金の支給繰り上げ
特別支給の老齢厚生年金は、受け取り開始時期を繰り上げることができます。
まず、第1号期間である昭和28年4月2日~昭和36年4月1日までの男性は、報酬比例部分の支給開始年齢が引き上げ途上にあるので、繰り上げ請求が可能です。
ただし、1年以上の被保険者期間があり、老齢厚生年金の受給資格期間を満たしていて、国民年金の任意加入被保険者でないものでなくてはなりません。
支給年齢開始年齢に達する前に、老齢厚生年金の支給繰り上げの請求をすることで、請求があった日の属する月の翌月から支給されます。
特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢の種類
特別支給の老齢厚生年金は「第1号期間の男性・昭和36年4月1日以前生まれ」に支給されます。この、第1号期間の男性・昭和36年4月1日以前生まれを基準にして、次のようにそれぞれの支給開始年齢が異なっています。
☆第1号期間の女性…昭和41年4月1日以前生まれ(男性の+5年)
☆第2号~4号期間…昭和36年4月1日以前生まれ(男性第1号と一緒)
☆特定警察職員等の期間…昭和42年4月1日以前生まれ(男性の+6年)
特別支給の老齢厚生年金の失権について
特別支給の老齢厚生年金は、受給権者が死亡したときか、65歳に達したときのいずれかで失権となります。
特別支給の老齢厚生年金は、60歳から65歳になるまでの特定の期間に、一定条件の生年月日を満たした人にしか支給されない給付と覚えておきましょう。
国民年金法~老齢基礎年金の合算対象期間と振替加算~

社労士試験の中でも中核となる、各種保険制度の給付内容についてまとめていきます。
今回は、国民年金法の老齢基礎年金についてです。
老齢基礎年金とは
老齢基礎年金とは、保険料の納付済期間と保険料の免除期間などを合算した受給資格期間が10年間以上ある場合に、65歳から受け取ることができる年金です。
老齢基礎年金を満額受け取るためには、20歳~60歳までの480か月(40年間)の全期間の保険料を納める必要があります。
老齢基礎年金は毎年改定されますが、令和2年4月分からの年金額は満額で781,700円となっています。
老齢基礎年金の金額について
老齢基礎年金の年額は、760,900円×改定率×(480分の保険料納付済期間)で算出されます。
保険料納付済期間は、次の1~5を合算して算出します。
①保険料納付済期間の月数
②保険料1/4免除されていた期間の7/8
③保険料2/4免除されていた期間の6/8
④保険料3/4免除されていた期間の5/8
⑤保険料全額が免除されていた納付猶予や学生納付特例の期間の1/2
これらの納付済割合と、納付済期間として算出される割合の関係には、国庫負担の額が関係しています。
平成21年4月~、国庫負担が1/3から1/2に変更となりました。
この関係図は、社労士24の図解が1番分かりやすかったので備忘録として貼っておきます。8マスにして考える方法です。

合算対象期間(カラ期間)とは
老齢基礎年金を受けるためには、受給資格期間となる被保険者期間が10年間必要となりますが、国民年金を支払わなかったり、国民年金の被保険者の対象となっていなかったりして10年に満たない人がいます。
なるべく多くの方が無年金状態を脱することができるよう、つくられたのが合算対象期間です。
合算対象期間として認められれば、年金の給付額には算定反映されませんが、受給資格期間としてはみなされるようになります。
つまり、保険料を納付した期間および、保険料が免除されていた期間に、この合算対象期間を加えた期間が10年以上になれば老齢基礎年金を受給できるようになるのです。
合算対象期間の例
合算対象期間となるケースは非常に幅広いです。
この3つに分けて、主な合算対象期間をご紹介します。
①昭和61年4月1日以降の合算対象期間例
昭和61年4月1日以降の合算対象期間に該当する期間は次の通りです。
- 日本人であり、海外に住んでいた期間のうち国民年金に任意加入しなかった期間(20歳以上60歳未満)
- 平成3年3月までの学生
- 第2号被保険者としての被保険者期間のうち20歳未満の期間と60歳以上の期間
- 国民年金に任意加入したが保険料を納めていなかった20歳以上60歳未満の期間 等
②昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの合算対象期間例
- 厚生年金保険、船員保険、共済組合の加入者の配偶者であって国民年金に任意加入しなかった期間(20歳以上60歳未満)
- 学生であって国民年金に任意加入しなかった期間(20歳以上60歳未満)
- 昭和36年4月以降の国会議員とその配偶者出会った期間(昭和36年4月1日~昭和55年3月31日は適用除外されており、国会議員は国民年金の任意加入でなかったため)
③昭和36年3月31日以前の期間の合算対象期間
なお、すべての合算対象期間については日本年金機構のページを確認ください。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20140421-05.html
ポイント
★国民年金未加入期間の唱和6年4月1日以前は国民年金がなかったので合算対象期間になり得ません。
★通算対象期間=合算対象期間と同意です。
★学生は平成3年までが合算対象期間となります。(平成3年以後は学生も国民年金に強制加入になったため)
加給年金と振替加算とは
会社員向けの厚生年金保険の制度では、老齢厚生年金の受給権を持つ者(ここでは夫とします)が生計を維持している配偶者(ここでは妻と仮定します)がいるとき、加給年金という年金が支給されます。
この加給年金は、妻が65歳に達すると支給がなくなりますが、一定の要件を満たしていれば加給年金が打ち切られる代わりに妻の老齢基礎年金に振替加算という年金額が加算される仕組みとなっています。
なぜ振替加算がもらえるの?
振替加算がもらえる妻には年齢要件があります。
この年齢要件とは昭和41年4月1日以前に生まれたこと、という要件ですが、昭和41年4月1日以前に生まれた妻は20歳になるまでの期間が任意加入となっていたため、国民年金に加入していない可能性があるのです。
つまり、任意で国保未加入期間だった妻は、65歳時点で保険料納付済期間が40年に満たず満額年金をもらえなくなってしまう計算になります。
国民年金保険の制度が改定される前の条件で任意未加入だった妻が、保険料を満額もらえないことは不利なので、振替加算にて補填をするという考えとなっています。
加給年金の金額
加給年金は、厚生年金保険に20年以上の被保険者期間があった方が65歳に到達したときに、養っている配偶者や子どもに対して加算される年金です。
(扶養家族への年金というイメージです)
配偶者には224,900円が加給年金として支給、子どもが2人目まではそれぞれ224,900円、子どもが3人目以降は約3分の1の75,000円が支給されます。
加給年金が支給される配偶者は65歳未満であることが条件であり、子どもは18歳に到達する年度末(高校3年生の3月31日)までという条件があります。
なお、子どもが1級・2級の重い障害のある場合は20歳未満まで条件が引き伸ばされます。
次回は、老齢障害年金についてまとめていきたいと思います。
健康保険の被保険者の要件と適用除外者について

会社員が加入する健康保険について、前回は健康保険法のあらましや適用事業所の要件をまとめました。
続いて今回は、健康保険法の被保険者の要件について詳しく解説していきます。
健康保険の被保険者について
健康保険の強制適用事業所に使用されるものは、健康保険の被保険者となります。ここでの「使用」とは、労働保険での使用とは意味が異なり、「報酬支払の関係があるか」という視点で区別されます。
つまり、法人の代表者は法人から報酬を受け取る者のため、健康保険の被保険者となります。一方、労働保険では代表者は被保険者になりません。労働保険での使用者とは指揮命令される立場にあるかどうかという意味で区別するためです。
この使用という意味でとらえると、労働組合専従職員は労働組合に使用される者としてのみ被保険者になります。
※事業主は専従職員に報酬支払いをしない、労働組合から専従職員に報酬を支払う
短時間労働者の健康保険適用について
短時間労働者が健康保険の被保険者になるかどうかは、次の複数のポイントを確認する必要があります。
★1つ目:4分の3基準
短時間労働者の1週間の所定労働時間or1か月の所定労働日数が、同一の事業所に使用されている労働者の4分の3以上であれば、健康保険の被保険者となります。
★2つ目:4分の3未満の労働者、5つの確認項目
1週間の所定労働時間または1か月の所定労働日数が、同じ場所で働く労働者の4分の3未満であって、4分の3基準を満たさない場合は次の5つの項目を満たしているか確認をします。
- 500人以上の特定適用事業所かどうか
- 1週間の所定労働時間が20時間以上あるか
- 同一の事業所に1年以上使用される見込みがあるか
- 報酬月額が88,000以上であるか(最低賃金法で賃金に参入しない賞与や残業代、通勤手当はここから控除します)
- 学生等ではないか
4分の3基準に当てはまらなくても、上記5つのポイントを満たしていれば健康保険の被保険者となります。
特定適用事業所と特定労働者とは
特定適用事業所とは、事業主が同一(法人番号が同一)である事業所のうち特定労働者の総数が常時500人を超える事業所を指します。
特定労働者とは、70歳未満の者で適用除外事由のいずれにも該当せず、特定4分の3未満短時間労働者以外の者のことです。
500人以下の事業所は任意適用事業所として扱われることになりますが、過半数代表者か同意対象者が2分の1以上となり、労使が合意すれば健康保険の適用事業所となります。
被保険者の適用を除外される場合
健康保険の被保険者の適用を除外されるのは8パターンあります。
①臨時に使用される者…日雇いとして日々雇い入れられるor2か月以内の期間を定めて使用される者。
②季節的業務として4か月以内と決められた期間に使用される者…当初から4か月を超える予定があれば最初から被保険者扱いになるが、途中で4か月または6か月を超えることになっても被保険者にはならない。
③臨時的事業の事業所に使用される者…当初から6か月を超える予定があれば最初から被保険者になる。
④船員保険の被保険者となる者
⑤所在地が一定の場所にない…サーカス団など
⑥国民健康保険組合の事業所に使用される者
⑦75歳からの後期高齢者医療の被保険者
⑧厚生労働大臣、健康保険組合、共済組合の承認を受けて国民健康保険の被保険者になった者
健康保険の被保険者資格の取得と喪失日について
健康保険の被保険者資格は、健康保険の適用事業所に事実上使用されることが決まったその日に、資格取得とされます。
一方、被保険者資格を喪失するのは、資格喪失事由に該当した翌日となります。