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新型コロナの影響/人材業界の中途採用・新卒採用の実態調査/マイナビ・アデコ・読売などアンケート調査結果まとめ(2020年4月23日)

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こんにちは!

採用・キャリアのかかりつけHRドクターです。

 

4月の緊急事態宣言を受け、知人から

 

「今の状況で転職活動を続けていいのか」

「コロナの中で面接をしてくれる業界ってどんなところ?」

 

と相談が相次ぎました。

 

 

そこで、私の周りにいる企業様のリアルな採用状況(中途・新卒問わず)がどうなっているか、実態調査を実施いたしました。

 

アンケート結果のご報告とともに、お忙しい中アンケートにご協力いただいた皆さま、誠にありがとうございました!

 

より多角的な情報提供のために、2020年4月23日時点で公開されている、新型コロナに関するさまざまな団体のアンケートを文末にまとめています。

あわせてご参照ください。

 

 

 

ご回答いただいた企業の業界

HRドクターの採用状況アンケートでは、人材サービスに関わる企業からのご回答が最も多く集まりました。

※そのため本記事のタイトルも「人材業界の中途採用の実態調査」とさせていただいています。

 

実際ご回答いただいた業界

・人材業界

・Web業界

・広告/メディア業界

・不動産業界

 

 

回答いただいた企業規模

幅広い企業規模の採用・人事担当者の方にご回答いただきました。

 

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直近1か月間の採用状況について

やや人数を縮小している企業が最も多く、採用人数は変えずに継続している企業が続きます。

一部職種の採用を止めた、完全に全職種の採用を止めた企業も一定数いました。

 

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直近1か月間の採用状況について(採用要件)

 

採用要件を厳しくした企業、やや厳しくした企業が多い中、採用要件(募集要項)は変えずに採用継続している企業もいます。

 

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採用を止めた職種と理由

採用をクローズした職種と、採用ストップをした理由を見ていきましょう。

 

採用クローズ職種

人材業界:求人広告営業、原稿作成アシスタント

人材業界:営業職

第二新卒の若手全般(主に営業)

人材業界:スタッフ(バックオフィス)職

IS職、FS職

人材業界:バックオフィス職

IT業界:営業支援、財務、営業管理、インサイドセールス、法務

EMM業界:セールス

人材業界:営業担当

 
 採用クローズした理由
  • 業績低下を危惧したため
  • まだ小規模なので、セールスご不況で忙しくなってしまい、中途の採用まで手が回らないからです。
  • 新卒が大量に入社した為若手の採用を控える&コロナの影響による事業へのインパクトを考慮
  • 現時点で緊急的に必要のない職種はクローズ
  • 先行き不透明なため
  • 間接部門のコストをおさえたいため
  • 新型コロナ(来る不況)でよりコスト意識高く取捨選択した結果、一旦ストップが今は最善と判断したため。
  • コロナ影響による利益減が大きいため

 

採用を継続している職種と理由

続いて採用を継続している職種と、継続理由を見ていきます。

 

採用を継続している職種
人材業界:新卒、カスタマーサクセス職

IT業界:SES

人材業界:人事・広報・法務・人材紹介及びSaaSの営業責任者以上

人材業界:営業職・制作職

人材業界:営業職、CRM職、採用プランナー職(採用OSに特化)

Web業界:インサイドセールス、運転手

人材業界:営業職

人材業界:一般職と総合職

IT業界:Webコンサル,コンテンツ編集者,ゲームメディアPM,広告事業責任者,開発責任者,カスタマーサクセス

EMM業界:セールスエンジニア(日本)

人材業界:webデザイナー

 

採用を継続している理由
  • 企業成長のために、新卒は50人採用することを最低ラインと考えているため
  • 案件は完全にはなくなってはいないため
  • 会社の増強において必要不可欠な職種であるため
  • 事業計画を達成のための必要最低限の人数確保
  • 事業計画、年間の採用計画に基づいて行っているため
  • 組織体制上、新卒を採用していきたいという会社の方針(毎年3名ほどマネージャーが生まれる、1チーム5名ほどを保ちたい)しかし、コロナの影響で既存メンバーがどれだけ売上を伸ばせるかが分からないため人数変動はあり得る。
  • アフターコロナの市況を考えると対面の営業はより不要になってくると思うので、インサイドセールス部門の強化をしている。またオウンドメディア強化のため、面白いマーケターとライターも採用予定。
  • 同業経験者を採れるのではと考えているため
  • 採用活動は企業としてのバリューを提供し続ける重要な企業活動だと認識しているため
  • 新型コロナ(来る不況)でよりコスト意識高く取捨選択した結果、必要と判断したため
  • 日本のヘッドカウントについてはCOVID-19の影響なし
  • 欠員募集のため

 

リファラル採用を実施し、求職者の能力に期待できるため採用を行ったという個別回答もありました。

 

 

オンライン化について

 採用業務のオンライン化はそこまで問題ない企業が多いです。

 

今回アンケートにご回答いただいた企業は、人材会社、IT・Web系サービスを展開する企業が大半のためリモート対応は比較的スムーズだったようです。

 

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採用のオンライン化で困っていること

 

オンライン化できたものの、採用業務に支障が出ている企業の声が目立ちました。

 

「直接会って話せないと採用判断がしづらい/コミュニケーションがとりづらい」

「転職者または採用担当者にオンラインツール(ZoomやMeetなど)のリテラシーがない」

 

という声がもっとも多く、

 

「在宅で働く環境が整っていない」

「大きな問題はないが漠然とした不安を感じている」

 

といった回答も見受けられました。

 

 

その他、採用業務のオンライン化で困っていること

 

「評価への納得度を作れるかどうか」

「グループディスカッション、最終面接を延期にしているが、今後どうするか迷っている。」

「物理的な書類の受取で、週1程度マネージャーが出社(徒歩通勤)している」

「元々オンラインでやっているので、社としては変更なし。ただ、オンライン対応しているとのアピールができていない。」

 

 採用活動を進めていく上でどのような情報がほしいか

 

アンケートの最後に、現在の採用活動でどのような情報が欲しいか質問をしました。

 

  • 予算も求人ニーズもあるのに募集が出せない企業のボトルネック(面接難?研修育成難?なんなのか)
  • 自社開発、受託開発の状況(人材は足りているのか、案件はSESと違ってどの程度動いているか)
  • コロナ状況下での求職者の思考、動向
  • 他社のスケジュール感、採用縮小した企業は全体の何割くらいなのか
  • どうすれば候補者さまの不安感を減らし普通に選考参加して頂けるか、リファラル採用を加速させたいが人と会えない中では難しいという話もあり何が解決策になるか
  • 応募者側のCOVID-19影響による転職への不安など
  • 他社でweb面接のみで採用完結した企業が対面よりも気をつけた部分
 
一方、このようなポジティブな声もいただきました。
 

今回初めて最終面接までオンラインで行い、内定後初めて会社で会ったんですがなんにも不足はなかったです。むしろこれまで固定概念で会わなければいけないと思っていました。今後はこれをデフォルトにしていきたいと思っています!

 

すべての企業が足踏みしているわけではなく、この状況下でも成果を出して、前進している企業もいることを励みにしたいものですね。

 

採用状況アンケートまとめ

 

今回、HRドクターで実施したアンケートは回答数が20件弱となり、かつ人材業界の回答に偏りがありました。

他にも、アンケート調査を公開している団体が増えてきたため、最後にまとめておきます。

 

ぜひ参考にしてみてください。

 

新型コロナウイルス感染拡大による中途採用への影響 実態調査―『ミドルの転職』転職コンサルタントアンケート―

corp.en-japan.com

 

マイナビ、「新型コロナウイルスに関する企業の新卒採用への影響調査」 を発表

prtimes.jp

 

新型コロナウイルス感染拡大による21卒採用活動への影響調査【確報版】~ディスコ 新卒採用に関する緊急企業調査(2020年3月調査)

prtimes.jp

 

【4/2発表】新型コロナウイルス感染拡大に伴う中途エンジニア転職市場への影響、実態調査ver.1

blog.findy.us

 

アデコ株式会社【新型コロナウィルスの感染拡大による採用活動への影響】約7割の人事担当者が、「新卒採用への影響がある、影響が予測される」と回答(中小企業より大企業の採用活動への影響が大きい)

prtimes.jp

 

新卒採用「減らす」倍増、「増やす」大幅減…主要100社アンケート

読売新聞社日本テレビ放送網は19日、主要100社を対象にした2021年春入社の新卒採用アンケート調査の結果

www.yomiuri.co.jp