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求人広告営業出身の私が求人広告に掲載する前に企業人事に聞けるもんなら聞きたいこと100選

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こんにちは。

皆さんの採用・キャリアのかかりつけHRドクターです。

 

noteの内容をブログに少しお引越しします。

⇩こちらは元記事

note.com

 

 

以前、研修資料を作らなくてはならず、企業の人事担当者にヒアリングするべき項目ってなんだっけなぁと整理していました…

意外とたくさん出てきてしまったので、しっかり記事にまとめておくことにしました。求人広告営業や、人材紹介のRAの方がヒアリングするときに使える内容だと思います。

 

※ただし1から100まで1回の商談で聞こうとすると嫌われます(笑)
優先順位の付け方とか、ヒアリングした後これらの情報をどう調理すれば良いのかは、また今度!

 

ではいきます。

 

その1:募集背景

 

募集背景を理解することは、会社の経営状況の理解へつながります。『なぜ費用をかけて求人募集をしなくてはならないのか』という背景を、しっかり人事担当者と握ることが必要です。

✔業績好調のため
✔事業拡大のため
✔新事業・新会社立ち上げのため
✔営業力・技術力強化のため
✔離職者が出てポジションを補完するため
✔その他

 

その2:採用課題の把握

 

まずは人事、経営者目線での採用課題を単刀直入にヒアリングします。人事担当者が認識している採用課題と、客観的に見たときの採用課題にズレがあることはよくありますが、いきなり自分の意見をぶつけるのではなく、率直に課題を質問するところからコミュニケーションをとってみましょう。

✔求人予算がなく求人掲載ができていない
✔人事担当者の専任がいない、ノウハウがない
✔業界・職種そのものがニッチ、不人気
✔給与が低い、勤務地が遠いなどすぐに変えられないネックがある
✔転職エージェントから候補者が上がってこない(もしくはターゲット外の推薦が多い)
WantedlySNS運用しているが注力しきれていない
✔応募が集まらない⇒なぜ集まらないのでしょうか?と深掘りする必要あり
✔応募は集まるがターゲットの方が来ない
✔面接途中で離脱されてしまう
✔最終面接で上長(最終採用決定者)に落とされてしまう
✔内定は出すが競合へいつも流れてしまう
✔応募~内定のどこかで音信不通になることが多い
✔入社するが数か月(または1年、3年など一定の年数)で離職することが多い⇒なぜ離職してしまうのか、掘っていく必要あり
✔その他


その3:今までの募集活動について徹底的にヒアリング

 

採用課題を適切に把握するためには、直近2~3年、少なくとも1年以内の採用活動について詳しく確認し、どこに歩留まりが発生しているか見極めが必要です。1度にヒアリングしきれないことも多いですが、根気よくコミュニケーションをとり情報収集を行いましょう。

✔過去の掲載媒体(掲載時期・プラン)、応募人数、面接人数、内定人数
✔人事担当者の構成(何名の採用チームで対応しているか、経験年数なども確認)
✔採用担当者から見た、前回の掲載の狙い・反省点


※求人原稿のコピーは必ず貰い自分の目でも細かくチェックする
応募数が入っているのに採用できていない場合は、書類選考でNGになったのか、面接で落選になったor辞退なのか、不採用にした理由も必ず確認する。

 

 

その4:求める人物像・ペルソナの把握

 

ターゲットについて質問をするときは、Must条件(必須)と、Want条件(あったらいいな)の条件を分けて確認をします。ただやみくもに質問するのではなく、『なぜその条件は必須なのでしょうか』と理由もセットで確認することが重要です。深く考えず、なんとなく『女性の方が良さそう』『たぶん営業経験が1年ないと厳しいだろう』と決めていることが多いです。

 

✔必須条件(業界経験の有無、職種経験の有無、経験年数、知識、保有資格、スキル、年齢、人となり など)
✔歓迎条件(同上)
✔なぜその条件を設定しているのか
どうしてそのターゲットを採用しなくてはならないのか、入社してくれないと会社はどうなるのか

 

(例:人材業界の中途採用支援の経験がある方が欲しい。現在はアルバイト領域の経験者が多く、ノウハウがやや不足しているため。経験者採用ができなければ、既存社員を育成していくか、アルバイト領域で売上を伸ばしていく必要が出てくる… など)

✔中途入社社員の中で、現在活躍されている方の採用について
⇒どのような採用手法/入社年/年齢/前職の業界職種/人柄/活躍ぶりなど詳しく
⇒ターゲットがうまく定まらない場合は、既存社員の中で『この社員と同じ人がもう1人ほしい!』と考えて、ターゲット設定をする方法もおすすめ。


✔人柄、雰囲気、キャラクターなど定性面での希望はあるか
✔絶対NGな人となり、キャラクターはあるか

 

 

その5:会社・事業内容についての理解

 

訪問前に、可能な限り企業ホームページを確認し、基本情報は把握しておきます。企業ホームページ以外にも、採用ホームページがある場合は時間が許す限りすべてのページを読み込みましょう。

✔会社概要(設立年月日、従業員数、沿革 など)
✔事業内容(複数ある場合は、どの事業が軸になっているのか、今回の採用ではどの事業部の募集なのかチェック)
✔社員情報(社員紹介があればチェック、社員のSNSなども公開されていればチェック)
✔商品情報(何かを作っているのか、販売経路は?サービスの価格帯、toBなのかtoCなのか、競合と比較して商品力はあるのかないのか)
✔事業の強み弱み
✔どのようなカスタマーに向けた商材なのか、取引先の特徴は
✔業界の中でどのような立ち位置か
✔主な実績(取引相手、受賞歴、地域への影響 など)
✔IR情報(売上高、利益率、今後の伸びしろ など)
✔社名の由来
✔企業理念やクレドはあるか(ミッション、ビジョン、バリュー)
✔社風
✔代表メッセージ、代表のプロフィールやインタビュー、SNSがあれば確認
✔代表以外に重要人物がいるか、目立つ社員がいるかチェック
✔上場しているのか、上場を目指すのか
✔これらの情報を競合と比較しつつ、この会社の伸びしろはあるか、注目すべきポイントはあるか
✔採用関係のnoteやブログ、SNSがあれば確認
✔オフィスの数、立地アクセス(通いやすいエリアか、駅から離れているのか など)
✔社名や代表名でネット検索し出てくる情報は一通りチェックする

 

その6:仕事内容を深く知る

 

募集職種ごとに、『自分が入社するとしたら』というスタンスで仕事内容を細かく確認していきます。自分が入社したときに働くイメージが鮮明に持てて、人に説明できるくらいの粒度でヒアリングできるのが理想です。

 

✔業務内容(メイン業務、突発的な業務も含めて聞く。箇条書きでもOK)
✔1日の流れ、クオーターごと、1年の流れ、繁忙期があるかどうかも確認
✔勤務時間、残業有無、業務量、時短や在宅・フレックスの有無
✔目標の立て方、評価制度
✔扱うツール(特殊なシステムを使うのか、メール文化、紙の文化、slackなどWebツールの試用有無 など作業環境)
✔1人で行う仕事か、チームで取り組む場合どのようなメンバーとやり取りが発生するのか
✔ひとつの部署に何人在籍しているか、会社の中でその部署の立ち位置は?
✔直属の上司、部下、メンバーはどのような人か
✔入社直後の業務(OJT有無、1日目は何をやり、2日目には~をやり、1週間ほどで~を覚え、、と細かく理解できる方が尚良し)

✔やりがい、ミッション、大変なこと、ネガティブポイントを押さえる

 

この仕事を通して感じるプラス面とマイナス面をバランス良くヒアリングしていきます。聞き方はシンプルに『この仕事のやりがいは?』や、『やっていて1番楽しい瞬間は』『仕事を通して印象に残ったエピソードはありますか』などを、今回の募集職種で働いている現場の社員(複数名)にヒアリングできることが理想です。

 

✔1番楽しいと感じた瞬間
✔大変なこと
✔嫌だなと思うこと
✔ストレスを感じること
✔この仕事の(会社)の、イケてないポイントがあれば
✔こういうところを変えて欲しい
※これらの質問を既存社員にする場合、その社員が”新卒or中途”か、”どのような経緯で入社したのか”といった基本情報も同時に押さえると良いです。

✔評価制度や社風・福利厚生・休日休暇など各種制度について
※社員の収入につながる評価の部分、人事配置、また福利厚生や休日休暇などの制度に関しては、間違いのないよう書面でヒアリングをすることをおすすめします。

 

 

その7:評価・インセンティブなどの制度

 
✔賞与有無、成績の付け方、判断基準など
✔入社後の研修制度、独自の教育プログラムはあるか、OJT
社会保険制度(厚生年金、健康保険、介護保険雇用保険労災保険
✔休日休暇(年間休日、週休二日制or完全週休二日制orシフト制orその他)
✔各種手当(家族、住宅、引越し など)
✔オリジナルの休暇(生理休暇、結婚休暇、介護休暇 など)
✔福利厚生(ウォーターサーバーがある!や、フリーデスクなどオリジナルの制度などあるか)
✔有給の取得率、産前産後休暇の取得状況と復職したときの人事配置など

 

 

その8:入社後のキャリア・裁量について

 

採用は内定を出して終わりではありません。中途採用で入社した後、どのようなキャリアアップができるのか。社内の人事制度、よくあるキャリアアップ例なども確認しましょう。

 

✔入社後~独り立ちまでの期間、その期間にやるべきことは?
✔当該採用ポジションで与えられる目標と、平均的な達成期間
✔1か月後、3か月後、半年後、1年後、3年後のキャリアパス
✔人事考課や定期研修の有無
✔先輩社員のモデルケース(中途入社後1年で独り立ちをし、2年目に○○千円の売上に到達した者はマネジメント研修を経て、早くて3年目からMGRへ昇格。マネジメント以外のプロフェッショナルコースもある‥など)
✔社内異動は公募制か、新規事業の立ち上げプロジェクトや、独自の制度はあるか

 

 

その9:選考フロー

 

求職者は同時に複数の企業に応募してくるため、他社よりもスピード感を持って選考を進めることは非常に重要です。どのような選考フローになっているのか、歩留まりが発生し得る要素はないか、慎重に確認しましょう。

 

✔書類選考の有無(書類選考の通過基準は明確に決められている?)
✔一次面接、二次面接(面接官は誰か、話す内容や通過基準は決められているか)
✔最終面接(面接官は誰か、どのような面接内容なのか、選考基準は何か)
✔SPIなど性格診断の有無(どのタイミングで実施するか、選考にどう影響するのか)

 

その10:余力があれば確認すべきこと

 

✔業界全体の伸びしろや歴史
✔競合他社の募集広告の詳細(時間があれば数十社の求人広告や採用方法をチェックする)
✔口コミサイトの書き込みを確認する

 

 

採用のお仕事は企業の根っこから深く理解することが必要

求人票を見れば基本的な会社概要は載っていますが、求人広告営業や人材紹介会社のRAはこのくらい突っ込んだ質問をしていくべきではないでしょうか。

 

もちろん聞いて終わりではなく、聞いた情報をもとにどのような仮説を立て、採用戦略を練り、実行していくかが重要です。

 

忘れていた項目があれば、また追記します!

 

 

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