こんにちは。採用・キャリアのかかりつけHRドクターです。
転職しよう!と思うとき、皆さんは何から始めますか?
転職は、誰かにやってもらう活動ではありません。相談できる窓口はたくさんありますが、相談はできても面接は自分が行かなくてはなりません。その会社に入るかどうか、転職をするかどうかを決めるのは常に自分自身です。
私は今まで4回転職をしてきて、正直思いっきり転職失敗したこともあるし、これは大成功だったなと思える転職もあります。
転職で何かしらもやっとしている人に向けて、転職活動の一番最初にぜひ考えて欲しいことをまとめてみようと思います。
- 転職したい理由をきちんと言語化する
- ひとつずつ「なぜ?」を繰り返して深掘りし真の転職理由を見つける
- 転職理由の要素をマイナス項目とプラス項目に分ける
- 転職理由を人・働き方・仕事内容・会社・給与待遇の要素に分類する
- 各項目に「今の会社で実現できるかどうか?」という問いをぶつける
- ここまでまとめて初めて本当の転職理由=転職軸が見えてくる
- ぶれない転職軸が見つかったら…
- 複業・副業についてはこちら
転職したい理由をきちんと言語化する
あなたは、自分が転職をしたい理由を第3者に明確に伝えられますか?
万人に理解される理由ではなかったとしても、自分なりにきちんと転職理由を言語化してまとめていますか?
まずは自分の中にある、仕事に対する違和感はすべて書き出しましょう。
うまく言語化できない方は、次の転職理由ランキングを参考にして、自分はどの転職理由に当てはまるか選びながら整理してみてください。
転職理由ランキング
みんなが転職する理由は?転職理由ランキング 2018 |転職ならdoda(デューダ)
1位 ほかにやりたい仕事がある
2位 会社の将来性が不安
3位 給与に不満がある
4位 残業が多い・休日が少ない
5位 専門知識・技術を習得したい
6位 幅広い経験・知識を積みたい
7位 U/Iターンしたい
8位 土日祝日に休みたい
9位 市場価値を上げたい
10位 会社の評価方法に不満がある
このランキングは、私がパーソルキャリアで働いていた頃からずっと見ていますが、実は上位10位の項目は毎年そこまで入れ替わりません。多少、順位の上下があるものの、いつの時代もみんな同じような転職理由を抱えているということが分かります。
このランキングには記載がありませんが、こんな転職理由もよく耳にします。
人に関する転職理由
- パワハラやセクハラにあった
- お局やとっつきにくい上司がいて一緒に働くのが苦痛
- 新人が使えない
- 同期が優秀過ぎてこのレベルの中で競い合う事に疲れた、自信を失った
- 同世代がいなくて刺激が足りない、上の世代と分かり合えず仕事が進めづらい
- 人手不足で自分に対する業務量が多すぎる
- 取引先のお客さんが嫌、取引先のレベルをもっと上げたい
- 社内恋愛でいざこざがあった、社内恋愛ができないので出会いのある職場に行きたい
- 一緒に働く人は嫌いではないが好きにもなれない
働き方に関する転職理由
- 朝8時始業だが10時くらいから遅めのスタートがいい
- 休憩1時間くらいまともに取れる職場がいい
- 定時に帰りたい
- 残業は良いが月〇時間分の残業は減らしたい
- フレックス勤務にしたい
- 時短勤務にしたい
- フルリモートがいい
- フルリモートは嫌だけど週数回だけリモートにしたい
- リモートはなくてもいいけれど有給は全部消化したい
- 夏休みはお盆の時期に10日ほど長期で取得したい
- 土曜出社をなくしてほしい
- 夏季休暇、年末年始休暇以外にも長期連休をとりたい
- 残業するなら固定残業制度(みなし残業)ではなく残業した時間分の手当が欲しい
- 夜勤やシフト勤務制度をやめたい
- 土日休みではなくシフト制にしたい
このように、細かく見ていくとさまざまな希望条件、転職理由があぶり出されるはずです。とにかく最初は「なぜ転職をしたいのか」ということを、ひたすら言語化して紙に書き出すなり、PCで文字起こしするなり、徹底的に吐き出していきます。
ひとつずつ「なぜ?」を繰り返して深掘りし真の転職理由を見つける
いくつか転職理由を書き出すことができたら、次はひとつずつの項目に対して「なぜ?」という質問をぶつけていってください。
例えば、転職理由ランキング2位の「会社の将来性が不安」という項目に対して、
「私はなぜ、自分の会社の将来性が不安と感じているのか?」
「会社の将来性が不安なことがなぜ辞めたいという気持ちに繋がってしまったのか」
ここを掘り下げていきます。
会社の将来性が不安な要因をもう一段階深掘りしていくと、
・所属する営業部の売上が落ちてきている
・会社全体の業績が落ちている
というように、誰が聞いても「将来が不安」と納得いく話もあれば、
・なんとなく社員の士気が下がっている
・自分の売っている商品のメリットを感じていなくて将来が不安
というように、ふわっとした「不安」も紛れていることがよくあります。
まずは自分の気持ちに対して、ただただ素直になって本音ベースで深掘りをしていきましょう。
もうひとつ例を挙げてみます。
転職理由ランキング第5位の「専門知識・技術を習得したい」について。こちらの項目に対しても「なぜ、私は専門知識・技術を習得したいのか?」と自問自答してみてください。
多くの方は、「将来が不安だから専門知識を身に付けようと思い、とりあえず気になったのでキャリアコンサルタント資格の勉強を始めてみました。」というように、浅い意志設計のもと専門知識を付けたいと言っているように見受けられます。
専門知識や技術を習得したい理由はどのようなものでしょうか?
その技術を身に付けて、どのように使いたいのでしょうか。
専門知識とは、どのようなジャンルの専門知識ですか?ブログに関する専門知識、お米に関する専門知識、ネイルに関する専門知識…専門知識なら何でもいいのでしょうか?
とりあえず、なんとなく、という理由で将来が不安。
なんとなく、専門知識・技術を付けておけば将来が安定する。
そうやって浅く考えていませんか?
そして、その専門知識・技術は、今の会社にいると絶対に習得できないものなのでしょうか。少し厳しく感じるかもしれませんが、転職理由をひとつずつ自分の言葉で掘り下げていきます。
この作業に時間をかけて、じっくり言語化していくと、おのずと自然な転職理由が見えてきます。
転職理由の要素をマイナス項目とプラス項目に分ける
深掘りして出てきた転職理由を、分類していく作業に入ります。
おおよその転職理由は、プラスの要素があるものと、非常にネガティブでマイナスに働く要素に分類ができます。
例)マイナス転職理由
- 給与が低い(手取り20万円を切っていて生活水準が上げられない)
- どうしても合わない上司がいる
- 勤務地が遠く保育園の送り迎えに支障があるので片道45分以内にしたい
例)プラス転職理由
- BtoC営業で一定の成果を出せるようになったので次はBtoB営業にチャレンジしたい(社内ではBtoB営業のポジションがないため転職はやむを得ない)
- 自分の持っていたプロジェクトが大成功したため、もう少し規模の大きい市場で横展開できるかチャレンジしてみたい(社内でチャレンジできる場所を探したが結局見つからなかったから外に出るしかない)
転職ノウハウ本やネットの情報を見ると、「転職の面接の場ではプラスの転職理由を述べるようにしましょう」とアドバイスされることが多いです。しかし、多くの方の転職理由は、マイナス要素が半分以上を占めているのではないでしょうか?
「〇〇が嫌だから辞めたい」と、ネガティブ話から転職を考えるのが一般的で、プラスの理由でどんどん前向きな転職を重ねる人の方がまれではないでしょうか。
まずは、自分の気持ちをデトックスするためにも、正直に吐き出し、その上で客観的に「これはマイナス転職理由か?それともプラスか」と分類をして整理をしていきましょう。
転職理由を人・働き方・仕事内容・会社・給与待遇の要素に分類する
ここからもう一段階、転職理由を分類していきます。転職を考えるたくさんのきっかけを書き出したら、その項目を次の要素に分類してみましょう。
分類をして俯瞰的に転職理由を見ることで、自分自身の気持ちを整理しやすくなります。これも自己分析のひとつです。
①人に関する転職理由
②働き方に関する転職理由
③業務内容や会社についての転職理由
④給与や待遇、評価制度に関する転職理由
⑤キャリアパスについての転職理由
⑥その他(自由項目)
例えば、次のように整理することができます。
①人に関する転職理由
- 上司とうまがあわない
- 同僚のレベルが低く感じて成長できない、刺激がない
- トップダウンの組織にもう我慢できない
②働き方に関する転職理由
- 子どもができたのでリモートはどうしても取り入れたい
- 結婚をしたので少し仕事をセーブして残業ゼロで帰りたい
- 有給を2か月に1度は消化できる会社がいい
- 普段の働き方は問題ないが長期休みをとりたい
- 習い事の時間を確保したいので8時間きっちりでやり切れる働き方がいい
- 友だちと遊びたいので土日休みにしたい
③業務内容や会社についての転職理由
- 自社商材が明らかに競合負けしているのでプロダクトが強い会社に行きたい
- 自社のサービス内容に結局興味を持てなかったので別の分野に転職したい
- 会社の理念がどうしても腹落ちしないので理念重視で会社を選び直したい
- 業務内容は好きだが会社の規模が大きすぎてやりづらいので会社規模を小さくしてもう少し関わる範囲を広げたい
④給与や待遇、評価制度に関する転職理由
- 売上を上げてもインセンが少なく損をしているのが嫌
- 評価面談がまともに実施されていないので四半期に1度は評価をされる組織に行きたい
- 給与が最近頭打ちになった気がしているのでもっとベース給を上げたい
- 残業代が少ないのでもっと適正な対価が欲しい
⑤キャリアパスについての転職理由
- 30代、40代の子育て中女性が圧倒的に少なすぎるので働きづらい
- マネジメントコース以外に別の職種転換ができる会社がいい
- どんなに成果を出してもポストが詰まっていてキャリアパスが見えない
⑥その他(自由項目)
- 最近関心のあるSaaSを扱う業界へ行ってみたい
- 人材業界の営業を長くやったので次は企業人事も経験したい
このように近しい要素の転職理由をグルーピングしていき、自分の思考を明確にしていきます。一つひとつの項目に対して「なぜ?」と深掘りを繰り返しながらグルーピングしていくと、より精度の高い「自分だけの転職理由」が絞り出されていきます。
各項目に「今の会社で実現できるかどうか?」という問いをぶつける
ここまでの作業で洗い出した転職理由に対して、さらに質問をぶつける作業に入ります。質問はシンプルにひとつ、「これは今の会社で実現できるかどうか?」という質問です。
例えば、前の章の④にある
- 売上を上げてもインセンが少なく損をしているのが嫌
という項目は、今の会社で実現ができないのでしょうか??
インセンが少なくて損をしているのであれば、どうやったらインセンがもらえるのか考えてみます。売上を上げてもインセンがもらえないということは、そもそも会社が大事にしている評価軸が別にあるということです。
インセンが欲しいのであれば、会社が大切にしているインセン基準を確認し、その基準を達成することは難しいのでしょうか?
それとも、インセン基準はすでに達成していて、プラスαで売上もきちんと上げているのに金銭がもらえないのでしょうか?この場合は、インセンの原資である、会社全体の利益が少ない可能性もありますし、利益の使い道が従業員の給与ではなく、別の部分に投下されているのかもしれません。
このように、ひとつずつの要素に対して「これは自分の会社で実現できないのか?この転職理由は今の会社でどうにか解決できないのか?」と、丁寧に掘り下げて確認をしていきます。
もし、自社で解決できる要素であれば、転職をするのではなく一旦自分の会社で戦ってみる価値はあるでしょう。
分類した項目に優先順位をつける
列挙した転職理由をグルーピングし、出てきた転職理由に対して深掘りを繰り返し、「この要素は自社でどうにか解決できないか」と自問自答をして精査をしてきました。
最後に残った転職理由に、優先順位を付けてみましょう。
1個ずつ優先順位つけていくのが難しければ、グループごとに優先順位をつけても構いません。
例)グループごとに優先順位をつける
①人に関する転職理由
②働き方に関する転職理由
③業務内容や会社についての転職理由
④給与や待遇、評価制度に関する転職理由
⑤キャリアパスについての転職理由
⑥その他(自由項目)
私の場合は、今は一番収入が気になるので④を最優先事項にしよう。その次に、人に関するモヤモヤが解消されれば、働き方はそこまで気にしないな…そうなると、
④給与⇒①人⇒③業務内容②働き方は同じくらい大事⇒⑥その他⑤キャリアパスはそこまで優先度高くないな、この順番かな…etc
というように、自分自身が今何がいちばん大切なのか?あれこれ並べ替えてみましょう。
もうひとつの方法として、各項目に点数をつけてながら細かく優先順位をつけていっても構いません。
■転職理由に点数をつけて優先順位をつけていく
- 優先度高 5点
- 優先度そこそこ 3点
- あったらいいな 1点
ここまでまとめて初めて本当の転職理由=転職軸が見えてくる
ここまでの作業を進めていくと、想像以上に労力を使いますし、途中で考えることから逃げたくなる方もいるでしょう。
今回ご紹介した手順で、転職理由を言語化し、分類し、自問自答を繰り返してから優先順位をつけていくと、自ずとご自身の転職軸が見えてきます。
ここまでしっかり洗い出してから始めて、転職エージェントに相談したり、転職サイトで希望条件に合う求人があるかを探していくことをおすすめします。
もし転職理由の洗い出しをひとりで実施することが難しかったり、途中でうまく言語化できない方がいれば、お声かけいただければとことんお付き合いします。
ぶれない転職軸が見つかったら…
ここまで読んで実行してから、エージェントに登録すると非常にスムーズに転職活動ができると思います。
女性で、かつ転職回数がそこまで多くない方は、大手のdodaかリクルートエージェントかパソナあたりに、とりあえず1個登録すれば十分です。
(取扱い案件は、そこまで大差ないです)
⇩パソナキャリアは女性担当が多め
転職しなくてもいいな、と思った方は、ホールハートのプロ副さんのような「副業案件紹介サービス」を利用してもいいと思います。
プロ副さんは、クラウドワークスやランサーズよりも全然単価が高いですし、面接のときにスタッフさんが同行してくれることもあります。
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ちなみにプロ副さんはもともと、マーケ系特化のエージェント事業をやってます。前にスカウトいただいて相談をしたことがあります。
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マーケティング経験を活かした転職なら「マーケター特化型転職エージェントへ」
以上、転職理由をまとめるtipsについての備忘録記事でした。
複業・副業についてはこちら
転職ではなく複業・副業についてはこちらの記事で詳しくまとめまています。
けっこういろいろ試してますが、最近はクラウドリンクスとAnother works 経由で、仕事のオファーをもらいました。
⇩こちらAnotherworkの紹介
⇩こちらは副業サービス全般の話